作・総合演出の伊藤今人も出演しているため、演出助手のYOUが中心となってカウントを取り、まとめていく。ひとり、またひとりとメンバーが現れ、ユニゾンとなり、散り……切れ目なく踊りは続く。ジャズならではのシャープなラインに、時折ストリートダンス風の動きも混じるそのダンスは、なんともダイナミック。
続いて、伊藤が演出席に着き、本編ともいうべき物語の冒頭のシーンへ。バッターボックスに立つ野球少年(遠山晶司)が甲子園出場をかけた大事な試合で敗退し、故郷の島に戻る。少年を励ます人、冷ややかな目線を送る人、にらみを効かせる不良など、島民の反応はさまざまだ。伊藤が、個々のキャラクター設定や求める動きを明快に説明し、メンバー達がテンポのいい動きで応える。この後、物語は一体どう展開していくのか――?青春のドラマの行方は、本番でご確認を。
なお、このシーンは、とある有名曲に乗せて展開するのだが、違う文脈で書かれているはずの歌詞が、不思議なほど物語にマッチしているのが面白い。こうした選曲の妙も、梅棒の舞台の大きな特長だ。
「ヘイ!」「お願いします!!」と元気に声をかけ合い、あるいは助言し合うメンバー達の雰囲気もいい。