そんなディスコミュニケーションの恐ろしさを描いた問題作では、ジョンとキャロル、どちらの心情に寄り添うかで観客の判断も大きく揺さぶられることになりそうだ。
「キャロルを“言いがかりをつけるイヤなヤツ”と見る人もいれば、“あれは彼女が可哀想だ”と思う人もいるだろうし。とらえ方によって見方が変わる、不思議で奥深い作品ですよね。僕はキャロルが怖いし、腹の底がみえないと思いました。そんな、ちょっとしたことをセクハラにさせてしまうこの子は何者だと。男目線ですよね」(田中)。「私は完全に女目線で、キャロルに感情移入しながら読みました。伝えたいことが伝わらないもどかしさを感じて、理解してもらいたいのに全然違う答えが返ってきて、モヤモヤして……。
彼女がすごく可哀想に思えました」(志田)
過去にTVドラマで共演した間柄ゆえ、和やかな会話が続くふたり。「未来ちゃんにポテンシャルがあることは十分知っているので、初舞台でも何の心配もないです。大丈夫、頑張ろう」と田中は気さくに声をかけるが、そのやりとりは劇中のふたりに重なるようで…。「ホントですね。大丈夫だよ、なんて言ってたら足元をすくわれたりして…!」(田中)