「現代能楽集」で三島由紀夫の世界をネットカフェに?
平宗盛とその寵愛を受けた女性の物語。それは現代に置き換えるならデイトレーダーとして秒単位で億を稼ぐような長者と、家出少女みたいなもの」と、早くもその“換骨奪胎”ぶりを披露する。
「ファンタジック」「不思議な話」と原作を読んだ感想を語る出演者たちに対し、萬斎は「能も三島もリアルな感情によってだけ紡がれているわけではない部分が共通している。誇張された場所を楽しむことが、現代との接点になるかもしれません。“ありえない!”という飛躍を役者として楽しんでほしい」と語る。能と現代の接点について時折語られながら会見が進むなか、「平成生まれ」と話す水田、「19歳です」という根岸拓哉に一路が「気づいたらどの座組でも最年長に近くなってきてしまった」と動揺を告白し笑わせる場面も。
ネットカフェの店員と、洋館の女主人の恋人という時代を超えた二役を演じる平岡祐太は「マキノさんの構想をうかがって期待が高まった。『それはある意味、もう三島ではないですよね?』と聞いたら『ミシマじゃなくてマキノです』と答えてくれました」と笑う。
少女から大人の女性へ変貌する役の倉科は「ふたつの物語が入り乱れてどうなるのか楽しみです」と期待を寄せる。