創作と恋、背負うものの狭間で苦悩するその姿はむしろ、現代に生きる女性たちのほうがより深い共感を得るのかもしれない。
「今で言うキャリアウーマンみたいなところはありますし、カッコいいですよね。『女性は家のことをやる』という時代に大黒柱となって家を支える、しかも小説で、という。すごく意思のある人だと思うし、魅力的だと思います」
そう、今回何よりも彼女の背中を押したのは、“永井先生の面白さ”。
「本当に、どれも面白いですよね。永井先生の作品は、出てくる登場人物がとにかくみんなチャーミングなんですよ。だから舞台が遠い時代でも、観ている今の時代の人と繋いでくれるというか……あんなにワクワクさせてくれるお芝居をどうやって作るのか、それを身近で見られるのが楽しみなんです」
インタビューの言葉から伝わってくるのは、自分の人生を変えた“演劇”への愛。例えば心を揺れ動かされるようないい舞台作品と出会えたなら、思うのは「羨ましい」ということ。
「こんな素晴らしい舞台に私は呼ばれてない、もっともっと頑張らなければ、と思うんです。私もその空気を吸っていたかったな、と。だから今回、自分が『面白い』と思った作品に出られるのが幸せなんです」