溝端淳平が虚構の迷宮を彷徨う。音楽劇『レミング』開幕
しかし、そこが実は病院であることを示す台詞もあり……。ドラマティックかつロマンティックな風情を漂わせる霧矢や、独特の抒情が滲む飄々とした演技の柄本が、現実と虚構の境目を曖昧にする。虚構の迷宮を、登場人物たちと共に観客もさまようのだ。
その後の囲み会見では、溝端、柄本、麿、霧矢がそれぞれ、「空想や夢のような中に現実的で生々しいところがある作品で、今は浸っている時間がとても心地良いです。音、美術、お芝居の全てが融合した素晴らしいものになっていると思います」(溝端)、「寺山作品をやれたら嬉しいなという憧れがあったので、嬉しいです。がんばりますので、ぜひ観に来ていただきたいです」(柄本)、「(畳の下にいる母の役について)大地の母という感じで。“アングラ”やってます。寺山世界の過去と未来と言いますか、壮大な夢と、そして母子の情愛と、そういうものが入り組んだ世界を堪能していただきたい」(麿)、「日常と虚構が入り乱れたような作品で、私は映画の世界に捕われた女優の役。
若者二人を虚構の世界に誘います。寺山さんの作品は本当に言葉が美しいので、大事に演じたいです」(霧矢)と抱負を語った。
同い年の溝端と柄本の共演は「三回目」