くらし情報『大きな不在を待つ。マームとジプシーの”夜”3作上演』

大きな不在を待つ。マームとジプシーの”夜”3作上演

「そのトーンが、蜷川さんを待っているこの特別な時間とすごく似ているなと思った」と語る藤田。しかし単純にこの作品を再演するのではなく、2009年上演の初期作品『夜が明けないまま、朝』、さらには彼がマームとジプシー結成前、20歳の時に書いた『夜、さよなら』(2006年初演)を組み合わせるという発想はどこから来たのか。

「僕はふだん、役者さんと企画をどうするかという話はほとんどしない。でも今回は延期が決まってから、すごく話し合ったんですよ。ここ数年、僕らは大きな作品が増えて、『cocoon』をやって、野田秀樹さんの『小指の思い出』をやって、寺山修司の『書を捨てよ町へ出よう』をやって……と、自分たちを振り返る時間なんてなかった。でも今回、急に立ち止まることになったわけです。そこでみんなで話し合って、『Kと真夜中のほとりで』1本を再演するよりは、僕らの10年間を夜というテーマに吹き込もうという話になった。『夜、さよなら』を書いたのは20歳の2月、本当にちょうど10年前なんです」

ここ数年、演劇界のレジェンドや他ジャンルの才能とコラボレーションを重ねてきたマームとジプシー。
その中でも最大のプロジェクトが延期になったことで、はからずも、ある面で彼らのこれまでを総括するかのような、集大成とも言える作品が生まれることになりそうだ。

新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
漫画家・脚本家募集LPバナー 上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.