だった。実は最後に劇場で振ったオペラもこの作品で、「運命を感じる」という。となると気になる演出は、ベヒトルフによる2012年制作の舞台。同年夏にはザルツブルク音楽祭でも上演されて好評を博した。
他の演目はワーグナー「ワルキューレ」(指揮:アダム・フィッシャー)とモーツァルト「フィガロの結婚」(指揮:リッカルド・ムーティ)。
「ワルキューレ」を含む「ニーベルングの指環」全4部作はウィーンでも毎シーズンのように上演される重要なレパートリーだが、日本に持ってくるのはこれが初めて。マイヤー総裁によれば、本当は全4演目を披露したいが規模が大きくなりすぎて引っ越し上演は不可能なのだという。
「フィガロの結婚」は4年前の来日公演でも上演したプロダクションだが、ムーティたっての希望で今回もプログラムに加わった。
そしてこれもムーティの意向で、若手イタリア人歌手中心の布陣。ムーティは、「フィガロ」を含むダ・ポンテ3部作は言葉が大切で、それは上手に発音すればいいというレベルではない、細かいニュアンスの理解が必要なので、イタリア人歌手の起用が理想だと語っているそう。ムーティが認めた歌手たちによる上演に期待が高まる。