必ずハッピーエンド」とその美点を語った〝オペレッタの神様〟指揮者ルドルフ・ビーブルは、過去の日本公演での好感触にも触れた。「1979年初来日の《メリー・ウィドウ》で、鳴り止まない拍手に応えて急遽カンカンの場面をアンコールして以来、それが劇場の伝統になった。オペレッタをオペラより下に見る人もいるが、歌だけでなくセリフの多いオペレッタのほうが倍も難しい。しかもそのうえ歌手は踊れなければならない。日本の皆さんはそれをよくわかっている」
今回の出演者でもある芝居俳優のロベルト・マイヤー総裁は、自身もオペレッタに魅せられた一人だという。「ずっと演劇だけをやってきたが、オペレッタを経験したら、音楽のない芝居はもうできない。歌わないのか?日本ではね(笑)」
見過ごしがちだけれど、オペレッタは比較的新しい文化だ。今回の演目も《こうもり》こそ1874年初演の19世紀生まれだが、《メリー・ウィドウ》が1905年初演、《チャルダーシュの女王》が1915年初演と、いずれも20世紀の作品。
音楽の響きも案外新しい。これがアメリカに行ってミュージカルになったのだから、構えずにエンタテインメントとして楽しもう。
《チャルダーシュの女王》はすでに日程終了。