「アルバムの最後に収録した『やすもの』は、ブチョー(ds)、野口(寛喜)(b)に“あまり練習しないで来てほしい”と言って。可愛くしたかったんですよね。バタバタと、あえて下手な感じも面白いかなと」。『やすもの』は彼らなりのバンド観を示した歌詞も秀逸。「“バンドがいい状態だぜ”っていうのもあるし、年齢的に30代後半になって音楽だけで生活できてないことに対する強がりと、“だけど楽しいぜ”という複雑なバンドへの愛情が出てる感じですよね(笑)」
本作で収録された『まともになれない』に代表される、カッコよくない生き方を描く曲も彼らならではのオリジナリティだ。宮本の書く曲には唯一無二の風格が漂う。「自分のあんまりよくないところとかダメな部分も愛でてやるという感じです。自分の作家性をもうちょっと信頼したいという気持ち、“レーベルのさわおさんがいいと言ってくれるから”ではなく、バンドを始めたときに感じてた“根拠のない自信”みたいな気持ちを取り戻したいというか。
それが自然体であり、バンドもそんな僕のモードに普通に合わせてくれたのも楽しかったです」
アルバムリリースに伴うインストアイベントやツアーも決定しているので、彼らの奥深い音世界をどっぷり体感してみては。
取材・文:浅野保志(ぴあ)
“横領の罪”を着せられて…社長「お前はクビだ」私「そんな…」だが次の瞬間…⇒【まさかの真犯人】に驚愕!?