と振り返る。
その結果、現代アート界の巨匠、アントニー・ゴームリーのアイデアも加えられ、大きな箱を使いながらの驚愕のパフォーマンスが誕生。初演では少年僧として、現在は大人の僧として出演しているグァンは、「箱はパートナーのようなもの。箱とのコラボレーションはとても難しく、大人を手伝うぐらいでよかった少年僧のときはラクでした」と笑うが、その通り、武僧たちは箱を移動させてさまざまな形を作りながら、圧巻の身体表現で静と動の世界を作り出す。「箱を使って私たちが表現しようとしたのは、少林寺の生活や文化のなかにあるものであり、西洋文明に存在しているもの。この箱を通して、次は何が起こるんだろうとびっくりしてもらえるような場面をたくさん作りましたし、ただのカンフーのデモンストレーションではなく文化を伝えていく、そんな次元を持った作品にしていくことを大事に作ってきました」とアリ。「このパフォーマンスには、伝統的な少林寺の文化も含まれていれば、舞台美術や音楽や照明と、新しい文化も入っています。そのすべてを楽しんでもらえたらうれしい」とファンも言う。
まさしく異なる文化が交流し、融合してできた舞台。ジャンルや国の違いを超越したところにある力強いパフォーマンスを楽しみにしたい。