もちろん見どころはふんだん。代名詞ともいえる眼力を封じられて座頭市を演じる海老蔵は、圧倒的な太刀さばきで鮮やかな立ち回りを魅せる。江戸随一の花魁・薄霧と、盲目の少女・おすずの2役を演じる寺島は、花道を使った豪華絢爛な花魁道中や、2役の早替りなどを披露。そして、クライマックスは圧巻。三味線や鳴り物、拍子木が盛大に鳴り響く中、目をみはるような大仕掛けも待っている。
また、劇中にはふたりの濡れ場もあり、台詞はすべてアドリブ。「リリーさんが、お願いだから自分が書いたっていうふうにならないようにしてくれって言うんです」(しのぶ)、「でも、台本を読むと、ああいうようにしてほしいって書いてあるんですよ」(海老蔵)というふたり。回を追うごとに、やりとりがエスカレートしていきそうだ。
六本木歌舞伎「座頭市」は2月20日(月)まで上演。チケット発売中。
取材・文:門 宏