美輪明宏撮影:御堂義乗
今年のコンサートは、『美輪明宏の世界~シャンソンとおしゃべり~』と題して開かれる。フランス生まれのシャンソンは、これまでも、自作の曲、日本の抒情歌などとともに長く歌ってきたもの。しかし、今こそ、その歌が持つ魅力を届けたいのだという。新しいプログラムに込めた思いを美輪明宏に聞いた。
美輪明宏の世界 チケット情報
美輪が今年のコンサートで全面的にシャンソンを取り上げたいと思ったのは、危機感が発端だった。「最近は若い方の中に“シャンソン”という言葉自体がわからないという人がいらして、化粧品か何かのことだと思っていたとおっしゃるので(笑)、私、シャンソンはそこまで衰退しているのかと唖然としたんです」。国立音楽大学付属高校を中退後、16歳にしてプロの歌手として活動を始めたときから、クラシック、タンゴ、ラテン、ジャズと、様々な音楽を歌ってきた美輪だが、中でもシャンソンは得意とするところ。甘い愛を歌う魅惑的なもの、失恋を歌うセンチメンタルなもの、人生の現実的な問題を歌うリアリスティックなものなど、シャンソンはいくつものジャンルに分かれており、歌われるその世界の豊かさに、美輪の表現力が活かされるのだ。