『人間風車』開幕!成河「演劇の醍醐味が詰まった作品」
と全身で作品に挑んでいる様子。物語のキーとなるサムを演じる加藤は「僕は(成河演じる)平川さんが話す童話を聞くと、その主人公になるという役なんです。なので6役くらいあるのですが、それをどう演じ分けるか、どうやったらできるのか、ということを成河さんにも相談に乗っていただきました」と振り返った。
矢崎が「この作品では僕も松田くんも良知くんも“若手”になるんですけど、河原さんの演出も先輩方の芝居も本当に勉強になって。若手にとってはこんな幸せな現場はない」と話すと、松田や良知も同じように感じていた様子。松田は「僕にとって刺激的な現場でした」、良知も「成河さんにずっと支えてもらいました。舞台上でお返しできるようにがんばります」と語った。
売れない童話作家(成河)が公園で子供たちに聞かせる童話が軸となる本作。
大きな回り舞台や童話の衣装など華やかな見所がありつつも、それ以上に印象的だったのは“想像の世界”。作家の語り口調、それに対する子供たちやサムの反応により、童話の描く世界が目に見えている以上の鮮やかさで飛び込んでくるのだ。その一方で、現実世界でみせる登場人物たちのリアルな感情や表情も強く心に残るもので、だからこそ、そのふたつの世界がみせる結末は強烈だ。