バレエ『クレオパトラ』撮影:Shunki Ogawa
Kバレエカンパニーの新作『クレオパトラ』が開幕。これまで様々な全幕バレエに魅力的な再振付を施してきた熊川哲也が、満を持して、原作のない完全オリジナルの全幕作品創作に挑んだプロダクションだ。10月6日(金)の初日に先立ち、リハーサルの一部が公開された。
Kバレエカンパニー「クレオパトラ」チケット情報
第1幕第1場冒頭。舞台は紀元前1世紀、エジプトの首都アレクサンドリアの王宮の居間だ。山本雅也演じるプトレマイオス13世は、あどけない少年の風情。3人の官僚が彼の後見人として剣を教えるが、プトレマイオスにはまだ王としての自覚や能力が身についていない様子。そこに、中村祥子扮するプトレマイオスの姉で妻のクレオパトラが侍女たちを従えて現れる。
その威厳に圧倒されるプトレマイオス。クレオパトラに太刀打ちできない彼の弱さが、踊りを通して浮き彫りになっていく。力なく去るプトレマイオスを尻目に、クレオパトラたちは、エジプト絵画さながらの横向きのポーズや独特の手つきで、妖しくエキゾティックな踊りを展開――。
公開はここまでだったが、この先、クレオパトラとプトレマイオスの権力争い、カエサルやアントニウスとの恋愛などがどう描かれるのか、気になるばかり。