くらし情報『再演ではない新たな『Take Me Out』稽古レポ』

再演ではない新たな『Take Me Out』稽古レポ

そうやって全員で新しい「Take Me Out 2018」をつくりあげようとしていることが伝わってくる。この日は稽古の最初に藤田から「“言葉の演劇”にしたい」という話があり、稽古中も、台詞の奥にあるものや台詞の表現の意味を丁寧に確認し合う姿、台詞をきちんと伝えるために動きを工夫する姿などが見られた。アメリカのメジャーリーグという日本とはどこか違う環境の物語だからこそ、そこがくっきり伝わると印象や理解度は大きく変わってくる。

また、両側にある客席から選手のロッカールームを覗き見しているような感覚になる構造は、この作品の魅力のひとつ。ただ、そのロッカールームでキャスト達は着替えなども行うため、舞台上でさまざまなことが同時に起きることになり、そこは本作の面白さでもあるのだが、ともすれば中心で起きている出来事を見逃しかねない。しかし藤田が、ストーリーを進める俳優以外に“今求める動き”を丁寧に解説し、俳優たちもそれに高い能力で応えるため、シーンを重ねる度に出来事がよりクリアに浮かび上がってくる印象を受けた。稽古中、藤田の口から何度か「お客さんを当事者にしたい」という言葉が俳優たちにも伝えられ、そのための演出もつけられていた。

新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
漫画家・脚本家募集LPバナー 上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.