師匠の生誕100年。あの『らくだ』も楽しめるかも!?
笑福亭鶴瓶 撮影:源賀津己
落語家・笑福亭鶴瓶の古典落語愛がとまらない。正確に記すと、2年前&3年前の『山名屋浦里』は江戸時代を舞台にしているとはいえタモリ氏原案の新作落語(創作落語)だったし、『青木先生』など、自身の経験を落語化した噺も得意な人ではある。けれど、昨年の『妾馬(めかうま)』に続き、『徂徠豆腐(そらいどうふ)』という古典を今回の落語会のメインに据える笑福亭鶴瓶に、その魅力から話を聞いた。
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「僕が好きだなぁと思う古典落語は、やっぱり情のある噺なんです。『徂徠豆腐』で言えば“ごはんを食べられないよりも辛いのは、自分が心に決めたことを成せずに死んでいくこと”というテーマに情を込められたらなぁと。しかも、説教くさくならずにね。その点で心強いのが大阪弁です。大阪弁って、目線が低いというか、説教くさくなりようがないでしょ。
『ほら、あの、それであれやな』みたいなね(笑)。なにを言うてるかわからへんけど、だからこその情も出ると思うんです」
稽古でこだわるのは、「観客の頭の中で映像化される落語になっているか否か」。最近では、大河ドラマ『西郷どん』の岩倉具視役が話題となるなど、当代きっての個性派俳優でもあるのだから、そのこだわりにも説得力がある。