菊五郎、吉右衛門、猿之助らが活躍。吉例顔見世大歌舞伎、開幕!
昼の部『十六夜清心』左から十六夜=中村時蔵、清心=尾上菊五郎、清元栄寿太夫(清元左から3番目)、清元延寿太夫(清元左から4番目)、清元斎寿(清元右端)(C)松竹
11月の歌舞伎座での「吉例顔見世大歌舞伎」が開幕。尾上菊五郎、中村吉右衛門の大看板も揃う、充実の演目立てとなっている。
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このふたりが昼の部で共演したのは、『十六夜清心』。女犯の罪を犯して遊女・十六夜(中村時蔵)と恋仲になった所化・清心(菊五郎)は、廓を抜け出した十六夜から、清心の子を身ごもっていることを告げられ、一緒に川に身を投げる。しかし、十六夜は俳諧師・白蓮(中村吉右衛門)に引き揚げられ、水練に長けていた清心も死ねずに浮かび上がってしまう。互いに相手は死んだと思ったまま、一命を取り留めたふたり。やがて、雲間から月が現れるのと同時に迷いが晴れた清心は、悪の道へと進んでいく……。しっとりとした清元に乗せ、黙阿弥調を存分に聴かせる菊五郎の清心、はかなげな美しさを見せる時蔵の十六夜、そして、豪胆な吉右衛門の白蓮。
なお、本作で尾上右近が、七代目清元栄寿太夫として歌舞伎座に初お目見得。よく通る美声を響かせた。