森山開次が生む新たな歌劇『ドン・ジョヴァンニ』会見
井上は「『フィガロの結婚』の後になにをしようかと考えたときに、若い人とやりたいと思いました。この国はメジャーな作品で若い人が思い切り冒険するチャンスが意外と少ないので」と、「素晴らしい才能」と絶賛する森山とタッグを組んだ経緯を語る。さらに「今回は大いに冒険します。その冒険というのは、オペラに対してお客さんが、いい意味で気楽に、誰が聴いても観て合点がいくような在り方でやるということです。アジアの外見をした人間がやることも含め、世界的に意味があることをできるように。こういう方法が受け継がれることを希望しています」と話した。
森山は「(オペラの演出に)僕の名前を挙げることは勇気のいることだと思います。その皆さんの気持ちを受けて、委縮することなく、思い切って挑戦することが僕の役割だと思います。
オペラに関しては知識も浅いですが、知らない強みもありますので、ムチャぶりをすることもあるかと思います。改めて身体という部分を見つめ直したときに、ダンサーがオペラの人たちとどういう関係を築けるか。オペラの人たちは、歌いながらですが、より身体性を追求していく時間になればと思います」とコメント。作品について「ドン・ジョヴァンニの物語なのでそこをしっかり描くのは当然ですが、彼を取り囲む3人の女性の姿が印象に残る舞台だと僕は思っています。