と太鼓判を押す1996年生まれの21歳。今回がベネズエラ国外での指揮デビューとなる。すでに1週間前に来日し、相馬と大槌で子供たちの指導に当たるなど各地をまわった。「素晴らしい経験。エル・システマの創始者であるホセ・アントニオ・アブレウ博士が大切にしていた“音楽は統合である”というメッセージが、世界共通のものと確認できた」(オリバー)
音楽を通して、人はみな社会の一員であることを自覚させ、だからこそひとりひとりの成長・前進に意味があることを示す。「相馬や大槌で見たのも、まさにそのこと。エル・システマは社会のために作られた。より良い市民を育てるためのシステムであり、それがエル・システマの秘密。
人々のための音楽なのです」(同)
オーケストラ活動から始まったエル・システマのモットーは「奏でよ、(困難と)闘え」。最近は合唱も重要な活動のひとつとなり、モットーにも一語が加わった。「奏でよ、歌え、闘え」。今回のコンサートも、後半は「東京ホワイトハンドコーラス」と、ベネズエラから来日した「ララ・ソモス」による歌のプログラムだ。「ホワイトハンドコーラス」は、聴覚障害や自閉症、発声に困難のある子供たちのための合唱団。