2018年12月5日 17:30
魅力溢れるキャラクターが、物語を牽引する。キャラメルボックス最新作が開幕
『リトル・ドラマー・ボーイ』撮影:伊東和則
キャラメルボックスの最新作、『リトル・ドラマー・ボーイ』が12月1日、東京・八王子市芸術文化会館で幕を開けた。
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12月のある日、恩師の病気の報を受け、18年ぶりに地元である八王子に帰ってきた矢野トオル(鍛治本大樹)。右手で触れただけで他人の怪我や病気を治す能力を持つ彼は、その力が人に知られないよう居場所を点々と変えて生きてきた。ところが恩師の家から帰る途中、瀕死の男(畑中智行)を発見したトオルは、思わずその力を使ってしまう。翌日、トオルの家に十文字(阿部丈二)と名乗る男がやってくる。トオルを縛り上げ、男の行方を問いただす十文字。十文字の仕事は殺人代行業、つまり殺し屋だった……。
成井豊の書き下ろし新作である今作。
往年のキャラメルファンなら「あれ?」と思うのではないだろうか。ヒーリング能力を使うたびに自らの身体を犠牲にしていくという青年・矢野トオルは、1996年に上演された『TWO』の主人公。そして昭和マニアでうんちくを延々と語り続ける殺し屋・十文字は、昨年公演『ティアーズ・ライン』に登場し強烈な印象を残した。いわばクロスオーバー作品というわけだ。