くらし情報『柿澤勇人、世界的タッグが生んだ名作のラストステージに立つ』

柿澤勇人、世界的タッグが生んだ名作のラストステージに立つ

よく生きてたなってくらい叩きのめされて。でも僕に限らず、蜷川さんの舞台を経験した役者は、埼玉の稽古場のあの独特の匂いを嗅ぐと、ああ~嫌だな~って思い起こすことがあるんですよ(笑)。今回ご一緒している岡本健一さんも僕の比じゃないほどボコボコにされたそうです。辛くて辞めたいと思うのに、なぜか蜷川演出を経験した人たちは芝居を続けていますよね。演劇の魔力に惹きつけられるようにして…」

“地獄”の余韻が拭えぬまま、再演時は「もし“柿澤、いつまで経ってもヘタクソだな”って言われたら降板するつもりで」稽古場に入ったという。ところが…。「褒めてもらうばかりで、逆に恥ずかしい気持ちになって(笑)。でも“成長したな”と言ってもらえて、ホッとしたのを覚えていますね。
心も自由になり、試したいことにも挑めました」

そして巨匠亡き後、再々演の機会が訪れた。岡本や寺島しのぶなど蜷川演出を十分に体感してきた新メンバーも加わり、まずはパリの地で上々の評価を得ることができた。「パリのお客さんは細かいところまでじっくりと見てくれている印象で、本当に芝居が好きなんだろうなと感じました。千秋楽では、この作品をこのカンパニーで、海外で公演できるのは最後だろうな…と思ったり、原作者の村上春樹さんもスタンディング・オベーションしている姿を見たら、胸に来るものがありましたね。

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