くらし情報『舘野泉が親善大使 日本フィンランド国交百年公演』

舘野泉が親善大使 日本フィンランド国交百年公演

その一連の作品の中で最初に書かれた協奏曲が、今回も演奏されるペール・ヘンリク・ノルドグレンの「左手のためのピアノ協奏曲第3番~小泉八雲の『怪談』による《死体にまたがった男》」。舘野が2004年に初演したタイトルどおり小泉八雲の怪奇文学に基づく作品。「恐怖や絶望を深く表現しながら、最後は静かに、平和が何もかも飲み込んでゆくような美しい音楽。人間の持つさまざまな力を感じる」(舘野)

もう1曲、熊本を拠点に活動する光永浩一郎の「左手ピアノと室内管弦楽のための《泉のコンセール》」は2017年初演。「とてもピアニスティックな作品を書く人。ピアノに惚れ込んでいて、まるでピアノが彼の人生の一部。熊本の震災の直前に依頼し、震災を挟んで完成した作品には、混乱や苦痛、絶望も描かれるが、最後には明るい、生きる希望に変わる。それが見える音楽」(舘野)

弦楽オーケストラ『ラ・テンペスタ』は3度目の来日。
舘野とともに会見にも出席した息子ヤンネ舘野が、1997年にヘルシンキ音楽院の同級生たちとともに創設。卒業後も各自の仕事の合間を縫って活動を続けているが、今回のツアー資金をクラウドファンディング Readyfor.jpで募るなど苦労も多い。

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