「感動で涙が止まらない」話題のダンス公演、関西初演!
純愛劇の一方でKAORIaliveは現代性も重視。童話に出てくる「青い鳥」をツイッターに見立てるなど(!)、SNS依存が蔓延する現代の風潮にも警鐘を鳴らす。同時に情報過多の時代に「人生は自分の手で切り拓く」という大きなテーマを盛り込んだ。曰く、「原作では主人公らが互いへの愛ゆえに死を選びますが、今作ではまた違った決断をふたりが下す。死の描き方にもこだわりました」。
見学に訪れた稽古場では、ロミオ役の大柴拓磨ら主要メンバーが和気あいあいと振付の最終確認を行っていた。見学したのは登場人物の紹介場面。本番では誰もが知る童話のキャラクターが映像から飛び出たような趣向で楽しませる。
「しかも弱虫のピノキオがマッチョに変身したり。クラウンのいたずらでそれぞれの性格が少しずつ変化する」のも見もの。コミカルな芝居仕立ての場面から華麗なジャンプ、ターン、決めポーズまで。流れるような場面転換で一瞬たりとも飽きさせない。本番ではさらに映像や音楽、衣裳の効果も加わり、これが台詞のない公演であることを忘れるほど、物語に見入ってしまうはずだ。じつは作品が完成した一昨年前、開演直前に暴風警報が発令され上演が中止となった過去がある。