念願の初座長公演。演じるのは演歌界の大先輩、島倉千代子の生涯だ。市川も歌手を志した子どものころから憧れていた。「歌い手さんとしても憧れがありますが、いろんなご苦労がありながらも美しく、きれいに年を重ねていて、島倉さんには年代ごとの美しさがあります。また、歌声も仕草も、どこか少女のような初々しさも残っていて。そんな島倉さんを演じさせていただけるのはとても光栄なことです」と声を弾ませる。
春には五木ひろし座長公演にも出演し、五木の指導の元で研鑽も重ねてきた。「3月に名古屋の御園座で五木ひろしさんの公演に出演させていただきました。
その稽古の時に五木さんから“お芝居をすると歌が変わる”と教わりました。なので、この座長公演を経て、これからの自分の歌や、歌手人生がどう変わってくるか楽しみです」と笑顔を見せる。
そして自身の半生も振り返り「43年間の人生で、いろんな経験をしてきました。毎日幸せに越したことはありませんが、つらいこと苦しいことを乗り越えると、些細な事もよりうれしく感じます。そういうことが演歌においてはより説得力があるのかなと思いますので、苦しいときも“よし!またいい歌が歌える”と思うんです」