本広克行『転校生』で「若手に脚光」、平田オリザ翻案の男子校版も
2015年舞台「転校生」 撮影阿部章仁写真提供株式会社パルコ
次代を担う女優21人が集結した2015年のPARCOプロデュース公演『転校生』が、今夏再び“若手発掘プロジェクト”として蘇る。しかも今回は俳優21人が新たに挑む、別バージョンの「男子校版」を携えて――。フルキャストオーディションを経て男女42人を選んだ演出の本広克行に、稽古前の意気込みを聞いた。
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制服姿のビジュアル撮影が行われていた取材日、本広はその様子をスマートフォンのカメラに収めて自身のSNSで発信するなど出演者に優しい眼差しを向けていた。キャストの共通項は「どこか品がある」。高校生の何気ない日常を“同時多発会話”で切り取った本作は、1994年に初演された平田オリザの戯曲。そこから受ける登場人物のイメージを「頭のよい私立の高校生で、校則をきちんと守りつつ影で悪さもしている」と置き、応募者総数2,128人の中から体現してくれそうな若手を選んだ。
男子校版は、観客の多くが女性である演劇界の現実を踏まえ「ニーズがあるのでは」と本広らが企画した。
そこで平田は、女子高を舞台にした元の戯曲を翻案。カフカの小説『変身』をモチーフにしたオリジナルの「女子校版」