中川晃教vs加藤和樹『怪人と探偵』開幕、盗めない宝石めぐる対決の行方
目指したのは「日本語の美しい歌」。森とタッグを組み、構想5年をともに駆け抜けた白井は「永遠のライバルである二十面相と明智が奪い合うのは、世界の財宝を超えたもの──という人間ドラマが本作のおもしろさ」と見どころを紹介した。
「音楽・脚本が次第にできあがり、白井さんと対話を重ねて作品のピースがひとつずつ揃っていく過程に立ち会えたことは貴重な経験」と実感を込めて語るのは中川。対する加藤は、ミュージカル『フランケンシュタイン』(2017年)以来の2度目の共演となる中川について「アッキーさんと向き合う度に気持ちが高揚する」と刺激を受けた舞台裏を覗かせる。ヒロイン役の大原は初日を迎えた嬉しさを噛みしめつつ、本作を「千秋楽に向けて変化する作品」と分析。「何度もご覧いただきたいです!」と観客に呼びかけた。
昭和モダンの世界を背景に、乱歩作品の登場人物が躍動する170分(休憩含む2幕)。東京公演は9月29日(日)まで。
その後、10月3日(木)~6日(日)に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールに巡演する。チケット発売中。
取材・文:岡山朋代