元NHKモスクワ支局長が指揮者・ゲルギエフの素顔を紹介!
講演会の模様小林和男氏
ロシアのオペラの殿堂マリインスキー歌劇場が11月に来日するのを記念し、チャイコフスキー作曲「スペードの女王」を楽しむための記念講演会が11月4日に開催された。登壇者は、ロシア文学者の鳥山祐介東京大学 大学院准教授、同劇場の劇場芸術総監督ワレリー・ゲルギエフとも親交が深い、元NHKモスクワ支局長の小林和男。
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同オペラは1890年12月にサンクトペテルブルクで初演されたオペラだが、ロシアの最も偉大な文学者で詩人のプーシキンによる小説が原作。ナポレオン戦争(1912)、デカブリストの乱(1825)を時代背景に、カード賭博にとり憑かれていく士官・ゲルマンの姿を描く。
鳥山氏が主に語ったのは原作小説とオペラの共通点や相違点について。さらに主人公の運命を左右するのがトランプ賭博であるという点にも着目。特にこの賭博の勝敗が運に大きく左右される性質のものであることに触れ「当時の閉塞的な社会にあって、このトランプ賭博は運命への挑戦という意味合いを強く持っている」と解説。「チャイコフスキーが自身の解釈により原作に独自の意味を付け加えた作品。
チャイコフスキーの数々の作品でも、運命は重要なモチーフとなっている。