フランソワ=グザヴィエ・ロト(c)Rikimaru Hotta
フランソワ=グザヴィエ・ロト(1972~)、テオドール・クルレンツィス(1972~)という40代後半を迎えたふたりの指揮者が、今後30年、指揮の世界でフロントランナーとして業界を牽引していくことは、もはや世界中の評論家や熱心なファンの間で約束されているようなものだ。
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40代後半なんて、まだそうした判断をするには早すぎると思われるだろうか? しかし、かつてニコラウス・アーノンクールがコンセルトヘボウ管弦楽団にデビューを果たし、モダン・オーケストラにも古楽の流れを持ち込み始めたのが46歳の年、あるいはサイモン・ラトルがベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者・芸術監督に就任したのが47歳だった。それまで“鬼才”や“異端児”として評価されてきた存在がメインストリームに受け入れられることで、後続のフォロワーが次々と登場。時代に変革を起こしたのが40代後半だったのだ。
好き嫌いこそあれ、現代のオーケストラ芸術を語る上でアーノンクールやラトルの存在を無視できないように、今後のオーケストラの発展を考える上ではロトとクルレンツィスというふたりがそうした指揮者として認知されていくはずであろう。