ピアニスト上原彩子の「今」を味わうコンサートが今春開催
上原彩子 撮影:松谷祐増
「天才」と呼ばれるピアニストは数多くいるが、今第一線で活躍している日本人で真っ先に名前が挙がるひとりがこの人ではないだろうか。――上原彩子による「2020年デビュー20周年に向けて」と題するコンサートの第1弾が、2月と3月に大阪と東京で開かれる。プログラムは、上原が敬愛するふたりの天才作曲家モーツァルトとチャイコフスキーの作品を集めたもの。
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「ふたりとも出発点にオペラ、歌というものがあります。モーツァルトの時代にはイタリア・オペラが主流でしたし、チャイコフスキーもロシアに入ってきたイタリア・オペラに影響を受けて、そこから独自の音楽を創り上げた人。今回のプログラムは、そんな同じところから出発したふたりの音楽の、それでもやはり際立つ違いを聴いていただけるような曲目を選びました」
チャイコフスキー国際コンクールピアノ部門で女性として、そして日本人として初めての第1位を獲得してから今年で18年。当初の「彗星のように登場した天才ピアニスト」のイメージはそのままに、近年はより豊かな表現を獲得してきているようにみえる。そのひとつが、今回取り上げるモーツァルトだ。