NHK Eテレの人気音楽番組「ららら♪クラシック」(毎週金曜よる9時)と連携した「ららら♪クラシックコンサート」は、番組でも紹介された名曲の数々を、有名コンサートホールでの生演奏で味わえるという幸せな企画。その第8回「4手6手ピアノ特集~夢の競演でたどる音楽史」を聴いた(8月17日・サントリーホール)。
この日出演したのは、上原彩子、近藤嘉宏、中野翔太、松永貴志、金子三勇士というゴージャスな顔ぶれ。いうまでもなく、普段はそれぞれがソロで1時間、2時間のコンサートを開く、日本を代表する5人のピアニストたちだ。司会は俳優・高橋克典と、フリー・アナウンサーの金子奈緒。ご存知のとおり、高橋克典は番組の現MCでもある。
プログラムは2台ピアノ、3台ピアノの演奏で、バロックから現代まで、300年をひとっ飛びで楽しめるうれしい選曲。詳述する余裕はないが、中野とジャズ・ピアニスト松永のデュオで、ジャズ風の《展覧会の絵》とプロコフィエフの《戦争ソナタ》(第7番)を同時に弾いてしまうという「ロシアンremix」は白眉だった。
調和ではない、心地よい混沌。「4手6手」以外に、この日急きょ、5人それぞれのソロ演奏も追加された。