くらし情報『世界が注目!ヴェールを脱いだ藤倉大の新作オペラ』

2020年11月16日 15:00

世界が注目!ヴェールを脱いだ藤倉大の新作オペラ

日本語+英語字幕が何気に役に立つ)。当たり前かもしれないが、オペラの主役は歌なのだ。
その意味でも、主要役を演じるピーター・タンジッツ(テノール)、ジェシカ・アゾーディ(ソプラノ)、セス・カリコ(バリトン)の3人の外国人歌手たちが、予定どおり出演できたのは大きい。10月の入国制限緩和も幸いし、演出のリディア・シュタイアーら演出チームも含めた海外勢全員が、到着後14日間の自主隔離を受け入れて来日した。加納悦子(メゾ・ソプラノ)と望月哲也(テノール)の二人の日本人歌手もじつに優れた歌唱を聴かせ(望月は赤いハイヒールの女装も熱演)、キャストの水準は相当高い。
そして独唱陣に負けない存在感を示しているのが合唱だ。そもそも作品冒頭から、数分におよぶ無伴奏合唱で始まるという型破りなオペラ。作曲の藤倉も演出のシュタイアーも絶賛する新国立劇場合唱団がその実力を存分に発揮する。
現在は、歌劇場からアマチュア活動に至るまで世界のすべての合唱に、感染を危惧する逆風が吹くなか、日本でのこの快演は誇らしい。指揮は芸術監督の大野和士(管弦楽:東京フィルハーモニー)。劇場の動画コメントなどからも、大野がこの作品に注ぐ愛情、そしてこの状況下でのオペラ上演にかける熱意がひしひしと伝わってくる。

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