小泉今日子らが熱く演じる。ゴツプロ!『向こうの果て』稽古レポ
(C)ゴツプロ!撮影:MASA HAMANOI
小劇場界で活躍する男性俳優たちが2015年に旗揚げした劇団「ゴツプロ!」の第六回公演『向こうの果て』が、4月23日(金)に東京・本多劇場にて開幕する。その通し稽古に潜入した。
男性ばかりの劇団で、男性ばかりの作品を上演してきた「ゴツプロ!」が、初の女性キャストとして小泉今日子を迎えた本作。ストーリーも、ここ数年は津軽三味線や阿波踊り、民謡(ソーラン節)など日本の伝統的な文化を組み込んだ人情劇の印象が強いが、今作は座付き作家・竹田新(山野海の別名義)書き下ろしの“男と女にまつわる物語”を届ける。演出は山野海。
稽古場に入ると、三味線の音。小山豊(津軽三味線小山流三代目)の生演奏が入る本作で、その音に合わせて小泉が歌を口ずさんでいた。全員70年代生まれのゴツプロメンバーと、小泉、皆川暢二、関口アナンが集う稽古場は落ち着いた雰囲気。
時間になると、スッと物語が始まった。今作の舞台は昭和60年の東京。小さなアパートの一室で、雨音の中、小泉演じる律子が、塚原大助演じる公平を静かに刺すシーンから幕を開ける。
物語は、検事・津田口(泉知束)の裁判への準備、つまり律子の取り調べ、そして律子と関わってきた男たちへの聞き取りによって進んでいく。