左から、竹本織太夫、鶴澤燕三、吉田玉男、吉田一輔
大阪市と文楽協会が主催し、文楽の新たなファン獲得のため中之島中央公会堂で開催している『中之島文楽』。一昨年は公演中止、昨年は人数制限で上演、3年ぶりに元の規模で開催する8回目の今回、文楽初心者に向けての取り組みを練り直した。ひとつの公演で、文楽で代表的なふたつの「道行(みちゆき)」を同じ演者がやるという、本公演では観られない特別プログラムだ。三角関係の恋のバトルを展開する『妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)』の「道行恋の苧環(みちゆきこいのおだまき)」と、切ない愛の逃避行を描く『曽根崎心中』の「天神森(てんじんのもり)の段」。この「道行」2本同時上演の2日間に挑む技芸員たち、太夫・竹本織太夫、三味線・鶴澤燕三(えんざ)、人形遣い・吉田玉男と吉田一輔(いちすけ)が記者会見を行い、「道行」の魅力や企画公演への意気込みを語った。
中之島文楽 チケット情報
大河ドラマのような“時代物”の芝居で、全編で10時間超という長編大作の『妹背山』。その中で「道行」は約30分だ。また、トレンディドラマ風な“世話物”の代表格『曽根崎』は2時間半の芝居で、「道行」