くらし情報『『狂言風オペラ フィガロの結婚・管楽八重奏版』待望の大阪・東京公演』

『狂言風オペラ フィガロの結婚・管楽八重奏版』待望の大阪・東京公演

という見識に立ち、妥協することなく時期を待った。こうした中、2022年には『狂言風オペラ特別公演』も行われている。シューベルトの歌曲「魔王」をハイライトに、やや趣を異にした『特別公演』ではあったが、クラングアートアンサンブルからはメッセージが寄せられ、また能楽から大槻文藏、文楽から太夫、豊竹呂太夫、人形の桐竹勘十郎が舞台に上っての座談会では各人による『狂言風オペラ』継続への思いが語られた。それらは実に興味深く『狂言風オペラ』本編への期待をつなぐものとなった。

こうした流れを経て行われる今回の公演である。ひさびさに来日するクラングアートアンサンブルも含め、それは出演者にとって一層の熱の入ったものとなることだろう。若い女中のスザンナに手を出そうとする伯爵にフィガロや伯爵夫人らが協力して一泡吹かせるという物語が、京の都を舞台に伯爵を中将在原平平(ありわらのひらひら)、伯爵夫人を北の方、橘の上に姿を変えて描かれる。豊竹呂太夫の語りと鶴澤友之助の三味線に乗せて桐竹勘十郎操る人形が身勝手な中将を演じれば、観世流シテ方、赤松禎友が女面、女装束で憂愁の橘の上を舞うといった具合。
名人たちの至芸が繰り広げられる中、すべてをユーモラスな笑いにつなげてゆく野村又三郎ら狂言方の動きが圧巻だ。

新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
漫画家・脚本家募集LPバナー 上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.