越境なんて当たり前な東コレの話《水曜のケセラセラ》
SNSが生まれ、ライブ配信も当たり前になり「See now, Buy now」が選択肢として当然になりつつある今、もはや閉鎖的であることの方が難しく、裏を返せばうまい具合に隠されたものこそ魅力的に見える時代でもあります。そんな中、今シーズンで目立ったのは「見せて隠す」というディテール。すでに完成したコーディネートの中にシースルーのアイテムを重ねてぼやかしたり、アウターの袖やパンツのスリットから溢れ出るようにトップスや肌を見せたり。そんなディテールからは、全てが否応なしにさらされてしまう時代だからこその「視線から逃れたい、でも見せたい」というちぐはぐな欲望を感じ取りました。
ざくろプリントのチュールレイヤードが美しい 5-knot
深く入ったスリットからレースがちらり DRESSEDUNDRESSED
メッシュから人工的なメッキの輝きが透ける YOHEI OHNO
顧客参加型のショーもいくつか開催されましたが、これもある種「見せて隠す」ものだったかもしれません。顧客としてそのエクスクルーシブな空間を共有できるのも限られた人のみで、画面越しで見ていた多くの人たちはショーの全容ではなく隠された一部分しか見られない。