完璧よりも「まんざらでもない」人生を目指そう東京大学教授・玄田有史さんインタビュー(後編)
誰もがおひとりさまになりやすい現代、血縁や地縁といった強い絆よりも、“ウィーク・タイズ”と呼ばれるゆるい人間関係が人生を切り開いてくれると語るのは、東京大学教授の玄田有史さんです。
ニートや引きこもりなど若者の労働問題を調査・研究する中で、“孤立化”の問題と向き合ってきた玄田さんに、おひとりさまが本当の意味で“孤立”してしまわないための生きるヒントを、前編に引き続き伺いました。
前編「ゆるくつながる“第三の居場所”を確保しよう」はこちら感情・勘所・人生観をとぎすませ!
玄田有史さん
――前回、現代人には“ウィーク・タイズ”と呼ばれるゆるいつながりが重要になるというお話を伺いました。おひとりさまが生きていく上で、他に意識していた方がいいことってありますか?
玄田:“ウィーク・タイズ”を結ぶには、“心の窓”を閉じないことが大切。そのためには、ネット上ではなくて、やっぱりリアルでの出会いが必要だと思うんです。
しゃべり方とか表情の微妙なニュアンスって、まだ直接のコミュニケーションじゃないと伝わらないじゃないですか。5年後、10年後には、ネットの表現力ももっと多様になっているかもしれないけど。