「ゾンダーコマンド」を描いた映画にあなた独自の解釈を加えてみよう
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みなさんは、「ゾンダーコマンド」って言葉を聞いたことはありますか? この言葉は、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所で、ユダヤ人である同胞をガス室に送る任務に就いていた、特殊部隊の人たちのことを指すのだそうです。ゾンダーコマンドはほかの囚人たちとは引き離された状態で数ヶ月働いたあと、最終的にはナチスによって、抹殺される運命にあります。
アナタまた今回は、いやに重い話を……とお思いになるかもしれませんが、この「ゾンダーコマンド」を主人公にした映画がありまして、タイトルは『サウルの息子』。2015年に、カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した作品です。全国で公開している映画なので、もしこれを読んで気になった方がいたら、お近くの映画館を探してみてください。
強制収容所の「リアル」に迫る?
さてこの作品、少々特殊な構成で作られています。物語のあらすじとしては、ゾンダーコマンドである主人公・サウルがガス室で出会った彼の息子らしき少年の遺体を、ユダヤ教の教義にのっとった正式な方法で弔おうと奮闘する、というものです。なのでてっきり、サウルを中心に描くユダヤ人の悲劇……みたいな話なのかと思いきや、そういうわけでもありません。