狭小住宅でも快適に住める!「ちっちゃな家の空間3原則」って?no.3
「ちっちゃな家」シリーズで有名な、建築家・杉浦伝宗さんの名言、狭小住宅の空間三原則「透ける」「抜ける」「兼ねる」
前々回は「透ける」について、前回は「抜ける」についてご紹介しました。
最後にご紹介するのは「兼ねる」です。
■ 「空間の共有・共存」という昔からの知恵
おそらく「兼ねる」については、皆さんも聞いただけで、なんとなく想像がつくかもしれません。
限られた平米数の狭小住宅に、部屋を幾つも作るのは物理的に難しい……。
そこで、部屋や空間に複数の用途・機能を持たせ省スペース化していこうというのが、この「兼ねる」です。
思えば昔の日本で庶民の暮らしといえば、ちゃぶ台を置いた畳の部屋で食事をし、時にお客様を迎え、夜は布団を敷いて寝ていたことからも、「兼ねる」は日本人には腑に落ちやすいのではないでしょうか。
polkadots / PIXTA(ピクスタ)
■ 事例でより具体的に「兼ねる」をご紹介
1.玄関を省略してLDKと兼ねる
先日お亡くなりになった樹木希林さんのナレーションも印象的だった、昨年大ヒットしたドキュメンタリー映画『人生フルーツ』では、故・津端修一さんが自ら設計された玄関を省略してLDKと兼ねるご自宅を見ることができます。