羽毛ふとんは軽さが値段を左右する?キャリア25年のプロに聞きました
前回は、羽毛ふとんの品質は、快適に眠れるように設計されているかどうかがポイントだとお話ししました。
産出国でも羽毛の色でもなく、断熱性能が寝室の室温に適応するように設計されていることが、大切だとご説明しました。
それでは、値段はどうでしょうか?
羽毛ふとんの値段があまりにもまちまちであること、買う側は困惑してしまいます。1万円で買えるものもあれば、数10万円という値段のものもあります。
■ 価格の差のほんとうの意味は?
原料羽毛自体は、あくまで天然の産物ですから、時節により、その原価は変動します。
何かの事情で、少ししか採れないときや、需要が供給を上回ると、値段は上がります。
この原価変動をある程度吸収しながら、原料から一枚のふとんに仕上げるまでのさまざまなプロセスや加工で、最終的な値段が決まってきます。
また20年前の羽毛ふとんの品質と価格との関係は、現在と同じとはいえないところがあります。
羽毛ふとんのみならず、物の値段というものは、もともと、それなりの理屈があって決まるべきものです。
とんでもない高価なお祭り的な値段がついたり、誰かが泣いているに違いない、途方もなく安い値段が付けられたりすることは、羽毛ふとんだけではなく、言い換えれば、生活産業文化の正常な質の発達を妨げる結果になりかねません。