テレビやゲーム禁止は効果ある?増える子どもの学習時間は3分弱
教育経済学とは、「データ」に基づき、教育を経済学的な手法で分析する応用経済学の一分野。
『「学力」の経済学』(中室牧子著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者は教育経済学者であり、つまり本書ではそんな立場から、教育についての是非を掘り下げているのです。
子どもの教育について、「なにが正しいのか」で悩んでいる方にとって必読の情報が満載された一冊。
きょうはそのなかから、気になる「学習時間」についての記述をご紹介したいと思います。
■テレビやゲームをやめても学習時間は増えない
著者らの分析の結果、テレビやゲームが子どもの肥満や問題行動、学習時間に与える影響は小さいことがわかったそうです。
ただし、テレビやゲームと学習時間の間には、負の因果関係があることも示されているのだとか。
つまり「テレビやゲームをやめさせれば、子どもの学習時間は増える」という考え方は間違いではないわけですが、問題はその大きさ。
なぜなら、テレビやゲームを1時間やめさせたとしても、男子は最大1.86分、女子は最大2.70分しか学習時間が増加しないことが明らかになったからだといいます。
■ただしテレビやゲームは学習に悪影響もある
どうしてそんなことになるのでしょうか?
理由はいたってシンプルです。