子どもに会うのが怖い?2ダースも子どもがいる精子ドナーの不安
夫の精子で子どもをつくれない夫婦のためだけでなく、精子バンクはさまざまな状況下で利用されています。シングルマザー希望者の増加や、同性婚を認める国が増えているという時代背景も相まって、利用者が増加傾向にあるのです。
海外では、精子提供を受けて生まれた子どもの“出自を知る権利”をめぐり、議論がなされてきました。
なかでもオーストラリア・ビクトリア州は、生殖補助医療の法制度化に力を入れて取り組んでおり、2013年にはドナーの匿名性を廃止し、子どもの“出自を知る権利”を認める法改正が議会に持ち込まれました。
『The Age』では、この政策と個人情報公開に伴うドナーへの措置をめぐり、2ダース以上の子どもを持つドナー3人と医師の反応が取り上げられています。
■2ダース以上の子どもを持つドナーの不安:ケース1
24人以上の子どもを持つドナーたちは、「1998年以前に精子提供によって生まれた子どもは、ドナーの許可なしで名前や誕生日などの個人情報について知ることができる」という政策に対して法的手段に訴えると主張しています。
あるシニア学生ドナーは、会う人会う人が精子提供をした子どもではないかと、不安を抱いているといいます。