最初のレートは1ドル=1円だった!池上彰が語るお金の歴史裏話
「お金ってなに?」「どうして1枚の紙切れが1万円の品物と交換できるの?」
もし子どもにそんな質問をされたら、みなさんは答えられますか?
そんな純粋かつ奥の深い質問にずばり答えているのが、『池上彰の世界の見方15歳に語る現代世界の最前線』(池上彰著、小学館)。
著者の池上さんは元NHK記者。現在はフリージャーナリストですが、その活躍ぶりは誰もが知るとおり。
本書は、そんな池上さんが都内の中学3年生のクラスを訪ね、「宗教」「資源」など6つのテーマで講義をした内容をそのまま本にしたもの。
ここでは、「お金」をテーマにした章から、お金にまつわる歴史に焦点を当ててみましょう。
■稲(ネ)が値(ネ)になった
「お金」の概念が誕生する前、経済の基本は1対1の物々交換でした。やがて、1か所に集まって物々交換するようになり、市(いち)が生まれました。
そして、品物を「みんなが共通にほしがるもの」に交換しておいて、後で必要なものと交換する仕組みが生まれたのです。
では「みんなが共通にほしがるもの」とは?それは、お米つまり稲や、着物の材料になる布でした。
当時、稲は「ネ」と発音されていて、この魚はどれだけの「ネ」