「24時間じゃ足りない!」と嘆く人が覚えておきたい魔法の言葉
Chapter01「女の生き方」から、数字にまつわるキーワード「時間」を引き出してみたいと思います。ここでモチーフになっているのは、初期ロマン派の有名な詩人であるノヴァーリスの思想です。
■製塩所で働いていた病弱な詩人ノヴァーリス
最初に、ノヴァーリスことフリードリヒ・フォン・ハルデンベルクについての解説を見てみましょう。
フリードリヒ・ヴィルヘルム・シェリング、ルートヴィヒ・ティーク、シュレーゲル兄弟らと並び、初期ロマン派を代表する詩人のひとり。
病弱だった彼は、製塩所での仕事と並行して個性的かつ哲学的な作品を書き続けたことで知られています。
特に『花粉』(邦訳『ノヴァーリス作品集第1巻』に収録、ちくま文庫)は評価の高い作品。
ちなみに、ドイツの偉大な詩人であるフリードリヒ・シラーの看病をした際に感染したと思われる肺結核で世を去っています。
そんなノヴァーリスは、実体のない「時間」についてどのような考え方をしていたのでしょうか?
■時間は思考を吸い取る恐ろしいモンスター!
スケジュールはきっちりと守るべきものですが、それはなぜでしょう?
1秒たりとも無駄にはしたくないから?それとも30分ものんびりすることに耐えられないくらいせっかちだからでしょうか?
いずれにせよ、時間はどんなに節約したとしてもまったく手元には残ってくれないもの。