今の日本は40年遅れている?福祉国家スウェーデンの保育園事情
彼女たちが社会に要求した改革のうちのひとつが、「保育園を皆に」だったのです。
活動の中心が女性だったからこそ、本当に子どもを大切にする保育園が生まれた、ということでしょうか、とお聞きすると、
「そうですね。法律など、重要なことを決定する場所に女性がいたからだと思います。初めはクオータ制で行政での女性の数を増やしていって、今では国会の議員の半分近くが女性です。地方自治体だともっとその数は多いですね」
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日本人は、とかく表面的に北欧諸国の福祉の厚さを羨ましがる傾向が強いですが、その背景には多くの女性たちの努力があったということが、高見さんにお話を伺って、よくわかりました。
高見さんは「法律が決まれば後は早かった」とおっしゃっていました。けれど、ただ40年待っていても、状況は変わらないかもしれません。日本でも、少しずつ女性が声を上げていくことが大切なのではないでしょうか。
(文/Kinkiii)
【取材協力】
※高見幸子・・・1974年よりスウェーデン在住。15年間、ストックホルムの基礎学校と高校で日本語教師を務める。1984年より野外生活推進協会の活動である「森のムッレ教室」