国際経済評論家が語る「フランスが50年で人口を増やせた理由」
■フランスの2人目が産みたくなる制度とは
そもそも、フランスが少子化対策に力を入れた理由とはなんだったのでしょうか。
長谷川さんによると、「フランス政府は1930年代、ドイツとの対抗上、人口増加政策を導入しなければならないという政治判断に至り、育児奨励策を導入しました。
戦後はその伝統を一段と発展させるべく一連の制度を確立する努力を重ねて今日に至っています。同国の出生率は2008年に2.01となった後、現在まで2を維持しています。政府が国民に対して手厚くきめの細かい家族手当を実施していることが、その理由です」とのこと。
つまり、フランスは「ドイツに負けたくない」精神が出生率増加につながったのです。
また、フランスは家族手当の制度が充実しており、その数は30種類以上あります。それも出生率増加に大きく関係しています。
「第2子以降は所得制限なしで20歳になるまで家族手当を給付するほか、子どもが3歳になるまで育児休暇か、労働時間の短縮が認められ、第2子の育児休業手当は3歳まで受給されます。さらに、ベビーシッターを利用する際には補助金も支給されるのです。
この政策は、2人目の子どもを産むかどうかで、強烈なインパクトをもたらしたのではないかと思います。