国際経済評論家が語る「フランスが50年で人口を増やせた理由」
手厚い給付と並んで、柔軟な休業制度がフランスの家族政策の特徴となっています。
さらにフランスには、子どもを大切にする文化があります。チケット売り場やレジなどでどんなに長い行列ができていても、子連れは先頭にまわしてもらえるのです。
公共交通機関では小さな子どもを連れている場合、席を譲ってもらえることがほとんど。手厚い政策だけでなく、国民の間に誰に強制されたわけでもない子供を優先してあげる文化が根づいているため、多くの人が「子どもを産んでみよう」「この国で育ててみよう」と思えるのです。
人口を国力と考え、公立保育園も午前8時半から午後4時半まで、無料で預かってくれます。
保育アシスタントも利用されており、3歳未満の子どもを自宅で預かってくれる制度があります。保育料は年間1万ユーロかかりますが、こちらも公的な補助を受けることができます。
そして、文化面で見てみると、シングルマザーや事実婚の許容など、多様な家族のあり方が認められています。未婚の母も多く、いろいろな価値観が浸透しているのです。
多様な家族のあり方を許容しているからこそ、子どもを産みたいと思った時にすぐ産める環境が整っている、といえるでしょう。