74年後には世界最大規模の宗教になる「イスラム教」の基礎知識
と評します。なぜシンプルといえるのか、象徴的な4つの要素から確認してみましょう。
(1)入信方法は「宣言するだけ」
イスラム教のシンプルさがよく表れているのが入信方法。
キリスト教では教会で神父や牧師を前に「洗礼」という儀式を行いますが、イスラム教の場合はもっと簡単。2人のイスラム教徒の前で、イスラム教を信仰するという趣旨のフレーズをアラビア語で唱えるだけなのだそう。たしかにこれはシンプルですね。
(2)意外とフランクな「礼拝と断食」
決められた時間にメッカの方角に向かっておこなう日々の「礼拝」からは、厳格な信仰心をイメージしがち。
ですが、じつは祈りをささげる場所は自由。
祈りの時刻や方角を教えてくれる腕時計などを利用する人が多いなど、現代的な側面も。感覚的には、日本人が自宅の神棚に朝晩手を合わせることとそれほど大きな違いはないのかもしれません。
ラマダーン(イスラム暦の第9月)に行う断食も同様。「その月のあいだ、日の出から日没まで食事をとらない」というもので、断食の期間には含まれない日の出前や日没後の時間帯に“食べだめ”する人も少なくないといいます。いずれも、言葉から受ける厳格なイメージとは少々異なる面が見えてきますね。