今のままだと80%の額になる?FPが教える年金受給額のリアル
もちろんこれは、あくまでも、平均余命(その年齢からの平均寿命)生きた場合ですが……。
■運用利回りが大きな問題になっている
「じゃあ安心なのね?」という解釈は大きな間違い。なぜならこの国のシミュレーションには、大きな問題点がいつか指摘されているからです。
すべて挙げるとキリがないのですが、もっとも大きな点を1つ挙げるなら、それは運用利回り(年何%で資産を運用できたかを表す数値)です。
平成16年のシミュレーションの前提である年金積立金の平均運用利回りは、3.2%でした。
この数字だけでも「本当に大丈夫?」と疑いたくなるのに、直近平成21年に開かれた年金制度を見直す国の会議(※財政検証・・・5年に一度年金財政を検証する会議)では、その運用利回りの前提が4.1%に引き上がっているのです。
「さすがにこれは無理があるんじゃ……?」などと疑問が出ても不思議ではありません。
年金制度をいまの給付水準のまま維持しようとするなら、この運用利回りがないと成り立たないということなのでしょう。
逆にいえば、この運用利回りが出せないようであれば、いまの水準の年金を受取ることはできないということになってしまいます。