仕事ストレス1位の「人間関係」を好転させて人間力を高める技法
著者も、学生時代は後者の人間であったと振り返ります。大学生のころ師事していた教授はとても厳しく、発表やレポートの内容が悪い生徒は怒鳴られることもしばしばだったというのです。
しかし、著者は厳しい指導を受けそうな場面の前に、先回りして必要なことを覚えるなどしていたため、2年間で1度も教授の叱責も受けずに過ごすことができたというのです。そして、そのことにとても満足していたそうです。
ところが卒業する際、この教授から投げかけられたのは「君は優秀だが、かわいげがない」という言葉。「自分には非がない」と思い込んでいた著者の「密やかなおごり」や「無意識の傲慢さ」を指摘されてしまったというわけです。
誰にでも欠点や未熟な点はあるのに、欠点がない人間のように振舞おうとする「優等生意識」は、人の心を遠ざけるもの。
「かわいげ」という言葉に表れた、素直に自分の未熟さを認める「しなやかな心」こそ、人と関わり合う上で必要なものだったのです。
■素直に自分の欠点を認めると人間関係は必ずよくなる
では、欠点が多いのに人から愛されるのはどんな人でしょうか。
たとえば営業センスはあるのに、大雑把なところのあるA課長。