今2500の言語が消滅の危機!独特の意味を持つ言葉の魅力とは
たとえば、チリのティエラ・デル・フエゴの近辺にくらす原住民の話すヤガン語には、こんな素敵な言葉があるそうです。
「Mamihlapinatapai(マミラピンアタパイ)」・・・同じことを望んだり考えたりしている2人の間で、なにもいわずにお互い了解していること(2人とも言葉にしたいと思っていない)
なにごとも言葉や論理に頼る現代社会においては、この言葉の意味する行為はむしろ洗練されているとさえ感じます。お互いへの揺るぎない信頼がなくては成立しない言葉ともいえるかもしれません。
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一部の言語が消滅の危機にあると知って、「もし日本語がなくなってしまうのであれば、自分はどんな言葉を残したいだろうか」なんてことを考えてしまいました。
エラさんの素敵なイラストと共に言葉の説明がついている本書は、すでにアメリカでベストセラーになっており、世界七か国語に翻訳もされています。
自分のなかにたしかにある、だけど言葉にならない想いにぴったりはまる言葉が、もしかしたら外国語のなかからみつかるかもしれません。
(文/石渡紀美)
【取材協力】
※エラ・フランシス・サンダース・・・20代の著者、イラストレーター。